奇跡講座（奇跡のコース）テキスト編第3章 「無垢なる知覚」より3-5本文
第3章3-5 知覚を越えて
ACIM-Text- chapter3-5-1
私が以前述べたように、あなたが今持っている能力の数々はあなたの本当の力が映し出す影のようなものに過ぎず、知覚するとは本来「物事を裁くような見方をすること」であり、それは分離した後で取り込まれたものに過ぎません。
それ以来、誰一人何事にも確信を持てないままになっています。
私はまた、復活とは叡智へと復帰するための手段であるということもはっきりとさせておきました。
そして、それは私の意志と父なる神の意志とが一つに結ばれたことによって成し遂げられたことを明確にしました。
これで私たちは、これから述べるいくつかの内容を明確にする一つの区別を定義することができるようになりました。
ACIM-Text- chapter3-5-2
分離以来、「創造する」と「作り出す」という言葉が混同されてきました。
あなたが何かを作り出すとき、それは「あるものが欠けているとか、必要だという特定の思い」からそうしています。
何にせよ、ある特定の目的をもって作り出されたものは、真の目的に当てはまるように一般化できるものではありません。
「何か足りないと知覚」し、「それを満たそうとして何かを作る」とすれば、自分は分離していることを信じていると無言の内に仄めかしていることになります。
自我は、こうした目的のために、実に巧みな思考体系を数多く作り上げてきました。
そのうちのどれ一つとして創造的と言えるものはありません。
偽造する能力は、最も巧みな形においてでさえ、それは無駄な努力でしかありません。
何かを偽造する為の高度で具体的な性質は、神に創造されたものたちの抽象的な創造力には相応しくないものです。
ACIM-Text- chapter3-5-3
「知っているという状態は、行うことにはつながらない」ということを既に述べました。
あなたは「真に創造されたあなた」と、「あなたが作りあげてしまった自分自身」との間を完全に混同しているので、何かを知るということが文字通り不可能となっています。
叡智は常に安定しています。
しかし、あなたが安定していないことは一目瞭然です。
それにも関わらず、神が創造したそのままのあなたは完全に安定しています。
この意味において、あなたが「不安定な行為をするとき」は、「あなたの創造について神が持っている想念に同意していない」と言うことになります。
あなたが選ぶなら、そのようにすることもできますが、もし正しい心でいるなら、そうしたいとはとても思うことはできないはずです。
ACIM-Text- chapter3-5-4
あなたが絶え間なく自分に聞いている根本的な質問は、正しく自分自身に問うことは絶対にできません。
あなたは一体自分とは何なのかと問い続けています。
そこでは、その答えがあなた知っている答えであるだけでなく、自分で答えるべきものでもあると考えられています。
けれども、あなたは自分自身を正しく知覚することはできません。
あなたには知覚されるべき心像というものがありません。
「心像」という言葉は常に知覚と関連しているので、叡智の一部ではありません。
心像は象徴的なものであり、別の何かの象徴となるものです。
「自分の心像を変えようとする」という考えは知覚の力を認めていますが、同時に知ることができる安定したものが何も無いということも仄めかしています。
ACIM-Text- chapter3-5-5
知るということには解釈の余地はありません。
あなたは意味を「解釈」しようとすることはできますが、それは「意味について知覚されたこと」を指すので常に間違いを犯す余地があります。
こうした不調和な状態は、自分のことを「分離している」と思うのと同時に「いや、自分は分離していない者と見なそう」とする試みの結果です。
こうした根本的な混同に陥っていれば、あなたの全般的な混同がさらに一段と酷くならないわけがありません。
あなたの心は極めて巧妙になっているかもしれませんが、それでも何かの方法と内容が分離していると必ず起こってしまうように、そのような心は逃げ道のない行き詰まりの状況から逃れようとする無駄な試みに利用されています。
巧妙さとは叡智から全くかけ離れたものです。
なぜなら、叡智には巧妙さなど必要ないからです。
巧妙な思考はあなたを自由の身にする真理ではありませんが、自分でそれを手放そうという気持ちを持つとき、そうした思考をする必要があるという思いから自由になります。
ACIM-Text- chapter3-5-6
祈りとは、何かを求めるための方法の一つです。
それは奇跡の仲立ちです。
しかし、唯一の有意義な祈りは「 赦しを求める祈り」です。
なぜなら、赦された者たちは、あらゆるものを持っているからです。
一度 赦しが受け入れられたなら、通常の意味での祈りは全く無意味なものとなります。
赦しを求める祈りとは、あなたが既に持っているものを再認できるようになりたいという願いに他なりません。
叡智の代わりに知覚することを選んだことによって、あなたは奇跡的に知覚することによってしか、父に似たものとなることができないという立場に自分を置きました。
あなたは自分自身が神の奇跡であるという叡智を失ってしまいました。
創造があなたの源であり、あなたの唯一の真の機能です。
ACIM-Text- chapter3-5-7
聖書の中の「神は御自分の像の如くに人を創造された」という言葉は解釈し直す必要があります。
「像」は「想念」と理解し、「如くに」は「同じ素質で」と理解することができます。
神は確かに、自らの想念の中で霊（Spirit）を創造し、神ご自身と同じ素質を与えました。
それ以外のものは何一つありません。
その一方、知覚は「もっと多い、もっと大きい」あるいは「より少ない、より小さい」ということを信じなければ不可能です。
あらゆる次元においてそれは選択性を必要とします。
知覚とは、受け入れては拒絶し、組織しては組織し直し、移行しては変化させるという、継続的なプロセスです。
評価することは知覚にとって重要なことです。
なぜなら、選択するためには裁きという判断が必要だからです。
ACIM-Text- chapter3-5-8
もし、裁きというものがなく、完全に平等であるもの以外に何も無かったとしたら、知覚はどうなるでしょうか。
知覚は不可能となります。
真理は知ることができるだけです。
真理に属するものは全て等しく真実であり、そのいずれかの部分を知ることは、全てを知ることです。
知覚のみが、部分的に自覚するということができます。
叡智は、知覚を支配している法則を超越しています。
というのも、部分的な叡智というものは有り得ないからです。
それは全てが一体となったものであり、分離した部分などないのです。
真にその叡智と一体であるあなたは、ただ自分自身を知りさえすればよいのであり、そうすれば、あなたの叡智は完全なものとなります。
神の奇跡を知ることは、神を知ることです。
ACIM-Text- chapter3-5-9
赦しとは、分離しているという知覚を癒すことです。
心が自らを分離したものと見ることを選んでしまったので、兄弟について正しく知覚する必要があります。
霊（Spirit）は神を完全に知っています。
これこそ霊（Spirit）の奇跡的な力です。
誰もがこうした力を完全に持っているという事実は、この世界の考え方からは完全にかけ離れた状況です。
この世界では、もし誰かがあらゆるものを持っているとすれば、他には何も残らないと信じられています。
しかし、神の奇跡であるものはすべて神の想念と同じく全きものです。
なぜなら、その奇跡たるものはまさに神の想念だからです。
ACIM-Text- chapter3-5-10
知覚が続く限り、祈りの存在理由はあります。
知覚は何かが欠けていると欠乏に基づいているので、知覚する者たちはまだ完全に贖罪を受け入れてはおらず、自らを真理に託していません。
知覚は分離した状態を土台としているため、少しでも知覚している者なら誰もが癒しを必要としています。
知っている者たちにとっては、祈りではなく霊（Spirit）としての交わりこそが、自然な状態と言えます。
神と神の奇跡は、分かつことのできないものです。
自らの光の内に生きる神の想念は、なんと美しいものでしょう。
あなたの真価は疑いようのないものであるから、知覚を越えるものです。
様々に異なるいくつもの光の中であなた自身を知覚するのはやめなさい。
一なる光の中で、あなた自身を知りなさい。
そこでは、あなたという奇跡が完全に明らかです。
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