奇跡講座テキスト編27章27-7夢を見ている者

奇跡講座(奇跡のコース)テキスト編 第27章「夢を癒す」27-7本文

 

第27章27-7夢を見ている者

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苦しむという事は、あなたを傷つけようとしてこの世界がしたすべての事を重要視する事です。

この世界による狂った 救済の解釈が、ここにはっきり示されています。

処罰の夢の中では、夢を見ている者は自分に何が攻撃ももたらしたのかを意識してはおらず、それと同様、ここにおいてその人は自分自身ではない何かによって不当な攻撃を受けている自分の姿を見ています。

その人はこの「何か別のもの」の犠牲者となっていて、それは自分が責任を取るべき理由が全くない、自分の外にある何かです。

その人は、自分が何をしているか知らず、自分に対して何がされたのかだけを知っているので、無垢であるに相違ない、ということになります。

しかし、苦しみを被っているのはその人なので、その人自身が自分を攻撃している事はやはり明らかです。

そして、その苦しみの因はその人の外側にあると見られているので、その人はそこから脱出できません。

 

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今あなたは脱出できるということを教えらえています。

必要な事は、問題を自分が設定したようにではなく、ありのままに見る事だけです。

極めて単純な問題であるのに、未解決にしておくために作り出された、複雑さの分厚い雲に覆い隠されているとなれば、それを解決するのにこれ以外の方法があるでしょうか。

雲がなくなれば、問題は最初の単純な姿で現れるでしょう。

はっきりと見えた時には、問題は馬鹿げたものである事が分かるので、選択は困難なものではなくなります。

誰であれ、もしその問題が自分を傷つけている事、そしてさらに極めて簡単に取り除けるものである事が分かれば、その単純な問題を解決させようと決心する事は誰にとっても難しい事ではありません。

 

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この世界を作り出し、その土台となり、世界を維持している「論理」とは、単純に言えば次のようなものです。

「あなたが、私がする事の原因である。あなたが私の前にいることが、私の怒りを正当化する。そして、あなたは私と別個に存在し、別の思考をする。あなたが攻撃する時、私は無垢であるに違いない。そして、私の苦しみの種は、あなたの攻撃である。」

この「論理」を厳密にありのままに見てみるなら、それが不可解で意味をなしていないという事を分らない人はいないはずです。

にもかかわらず、それには道理があるかのように見えます。

その理由は、この世界があなたを傷つけているかのように見えるからです。

したがって、原因に関して一目瞭然なものを越えていく必要はないように見えます。

 

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実際にはその必要は充分にあります。

この世界の中にいる者たちには、世界を有罪宣告から脱出させるという一つの必要を分かち合う事において繋がっています。

しかし、その人たちは自分達に共通の必要を認識してはいません。

なぜなら、もし誰もが自分の役割を果たすならば、自分は世界から有罪宣告される、と考えているからです。

そして、それぞれが、世界の解放のための自分の役割はまさしくこれだと知覚しています。

復讐には、焦点がなければなりません。

そうでなければ、復讐者のナイフが自分の手の中にあり、自分自身に向けられている事になります。

その人が自分で選択しなかった攻撃の犠牲者になるためには、他の人の手の中にあるナイフを見なければなりません。

こうして、その人は自分の手にはないナイフに傷つけられて苦しむことになります。

 

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これがその人が見ている世界の目的です。

そして、このように見られた時、世界が提供するのはこの目的が成就させるかのように見える手段です。

手段は目的について証言しますが、それ自体は原因ではありません。

しかも、原因を結果から離れたところに見ることによって、原因が変化させられる事もありません。

原因は結果を生み出し、結果はそれ自体ではなく原因を証明します。

それなら、結果を超えたところを見なさい。

苦しみや罪の原因が存在するのはここではありません。

そして、苦しみや罪についていつまでも考えるのはやめなさい。

なぜなら、それらはその原因を反映に過ぎないからです。

 

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この世界を有罪宣告から救出するために、あなたが果す役割は、あなた自身がそこから脱出することです。

邪悪な世界の証人は、世界の中に悪の必要を見たもののためにしか語れないということを忘れてはなりません。

そして、そこがあなたの罪悪が最初に見られたところです。

兄弟からの分離において、あなた自身に対するあなたの最初の攻撃が開始されました。

そして、この世界が証明しているのは、この事です。

他の原因を探してはなりません。

また、非常に大多数のこの世界の証人たちに、世界の取り消しを期待してはなりません。

その人たちは、この世界が当然の権利としてあなたに忠誠を要求するのを支持するだけです。

真理を見つけるために探すべき場所は、真理を隠しているものの中にはありません。

 

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罪の証人たちは全て一つの小さな空間の中に立っています。

そして、まさしくここに、この世界に対してあなたが持っている見方の原因を見出す事が出来ます。

かつてあなたは、招きもしないし頼みもしないのに、この世界に否応なしに自分に押しつけてくるかのように見えた一切について、その原因が実際のところ何なのか、気付いてはいませんでした。

あなたが一つだけ確信していたことは、苦痛や苦しみをもたらしていると知覚された様々な原因の中に、自分の罪悪は含まれていない、という事でした。

それに、どういう形であれ、自分はそれらの苦痛や苦しみを自分に与えて欲しいと求めたりはしなかった、という事でもありました。

このようにして全ての幻想は生じました。

幻想を作り出している本人は、その人自身がそれらを作り出している事が分かってなく、幻想の実在性はその人に依存してはいないという事になります。

そうした幻想の原因が何であるにせよ、それはその人とは別の何かであり、その人が見ているものはその人の心とは分離したものという事になります。

その人は自分の夢の中の実在性を疑う事は出来ません。

なぜなら、その人にはその夢を作り出し、夢を実在しているように見せかける上で、自分果している役割が見えないからです。

 

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誰一人、世界が自分のために見ている夢から目覚めることは出来ません。

その人は他の誰かの夢の一部になっています。

その人には、自分で作り出さなかった夢から目覚めるという選択は出来ません。

その人は、分離した心が思い描き大事にしている夢の犠牲者として、無力に立ちつくします。

その心は、天候や時の流れと同じように、その人の平安や幸せの事など意に介さないので、その人の事など全く気にかけていないに違いありません。

この心はその人を愛してはおらず、自らの意のままに自らの夢を満足させるためにはどんな役割でもその人に与えます。

その人の価値は全く取るに足らないものなので、その人はこの世界の無為の夢想の中で思いつかれた無意味な筋書きにしたがって、跳んだり跳ねたりしながら踊っている影法師に過ぎないのです。

 

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こうしたものが、あなたに見える唯一の絵です。

つまり、もしあなた自身が夢を見ている本人でないとすれば、これがあなたが選べる唯一の別の選択肢です。

そして、もし苦しみの原因が自分の心の中にあることを否定するのなら、あなたはこれを選択します。

原因が自分の心の中にあることを喜びなさい。

そうであればこそ、あなたは時間の中における自分の運命の唯一の決定者なのです。

死の眠りと邪悪な夢を選ぶか、それとも、幸せな目覚めと生命の喜びを選ぶか、その選択を下すのはあなたです。

 

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生か死か、目覚めか眠りか、平安か争いか、あなたの夢かあなたの実相か、これ以外にあなたは何を選ぶ事ができるでしょう。

死とは平安であると考える危険性があります。

それは、この世界は 身体を神が創造した自己と同一視しているからです。

しかし、一つのものがその反対のものになる事は出来ません。

死は平安の反対です。

なぜなら、死は生命の反対だからです。

そして、生命がすなわち平安です。

目覚めなさい。

そして全ての死の想念を忘れなさい。

そうすれば、自分にの平安がある事が分かるでしょう。

しかし、もしその選択肢が実際にあなたに与えられているのなら、あなたは選択の対象となっている二つの事柄の原因を厳密にあるがままに、それらが存在しているところに見なければなりません。

 

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二つの状態のうちの片方しか明確に認識されていない時、その二つの間でどのような選択が出来るというのでしょう。

それらがもたらす結果の一方だけしか自分の意のままにならないように見える時、どちらの結果を選ぶかを自分に選択できる者がいるでしょうか。

正直な選択というものは、あなたの中の真理についての異なった夢を抱いているちっぽけなあなたと巨大な世界との間で、選択肢が二分されていると知覚されるようなものではあり得ません。

実相と夢との間の隔たりは、この世界の夢想と、あなたが密かに見ている夢との間にあるのではありません。

それらは一つのものです。

この世界の夢想とは、あなた自身の夢の一部に他ならず、あなたはその一部を投げ出して、まるでその一部が世界の始まりと終わりの両方であるかのように見ました。

ところが、それはあなたの密かな夢から始まりました。

その夢が、あなたが見ていて実在性を疑いもしない部分の原因となっているにも関わらず、あなたはその事を知覚していません。

横たわって眠りながら、その原因は実在するという夢を密かに見ている時に、どうしてあなたはそれを疑う事が出来るでしょう。

 

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あなたから分離した兄弟、いにしえの敵、真夜中に忍び寄りあなたの死を画策する者、しかもゆっくりと時間をかけて死なせようとする殺人鬼。

こうした事を、あなたは夢見ています。

ところが、この夢の背後にはもう一つの夢があり、その夢の中ではあなたが殺人鬼であり密かな敵であり、兄弟も世界も破滅させ、その死骸を食べる獣になります。

ここに苦しみの原因があり、あなたの卑小な夢の数々とあなたの実相を分ける空間があります。

それは、あなたの目には見えないほどの小さな隔たりであり、幻想と怖れが生まれた場所も、恐怖と往古の憎悪の時も、災厄の瞬間も、その全てがここにあります。

ここに実在しないものの原因があります。

そして、それが取り消されるのも、ここです。

 

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あなたが、この夢の世界を夢見ている者です。

それ以外にはこの世界に原因はなく、これからもないでしょう。

無為な夢と同じくらい少しも恐ろしくないものが、神の子を恐怖に怯えさせてきたのです。

そして、自分の無垢性を失い、父を拒み、自分自身に戦争を仕掛けてきたと思わせてきたのです。

その夢はあまりにも恐ろしく、あまりに実在性のなるものに見えるので、もっと優しい夢がその人の目覚めに先立たない限り、その人が恐怖の冷や汗や死を怖れる悲鳴なしに実相に目覚めることは出来ないでしょう。

それは、その人の心が穏やかになり、愛を込めて目覚めを呼びかける声を恐れずに歓迎できるようにする優しい夢であり、その人の苦しみが癒され、兄弟が友になっている夢です。

は、その人が喜びの中でそっと目を覚ますことを意志し、恐れることなく目覚めるための手段を与えたのです。

 

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あなたの夢の代わりにが与えてくれた夢を受け入れなさい。

夢を見ている者がひとたび認識されたなら、夢を変化させるのは難しいことではありません。

聖霊の中で休息し、あなたが死を恐れながら見ていた夢を、 聖霊の優しい夢と取り替えてもらいなさい。

聖霊 赦しの夢を運んできます。

その夢の中では、選択するべきものは、誰が殺人者で誰が犠牲者かといったことではありません。

その夢の中には、殺害者も死も存在しません。

あなたの目はまだ閉じられたままとはいえ、罪悪の夢はあなたの視界から次第に消えていきます。

微笑みが訪れてあなたの寝顔を明るくします。

それらは幸福な夢なので、今や眠りは安らかです。

 

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神聖な無垢性の中で、あなたとひとつになる罪なき兄弟の夢を見なさい。

そして、この夢からであれば、天主が自ら最愛の我が子を目覚めさるでしょう。

夢の中で兄弟の間違いについていつまでも執着し続けることなく、変わりに兄弟からの親切の数々についての夢を見なさい。

その人があなたに与えた痛みを数え上げるかわりに、その人の思いやりについての夢を見る事を選択しなさい。

その人の幻想についてその人を 赦し、その人から与えられた全ての助力に感謝しなさい。

そして、あなたの夢の中でその人が完璧ではないからといって、その人からの数々の贈り物を払いのけてはなりません。

その人はその人のを表象していて、あなたはが自分に生と死の両方を差し出していると見ています。

 

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兄弟よ、はただ生命だけを与えます。

ところが、あなたが兄弟の差し出す贈り物として見えいるものが、が自分に与える贈り物としてあなたが夢に見ているものを表象しています。

兄弟の贈り物の全てを、自分に差し出された慈愛と親切さといった観点から見なさい。

そして、その人からのあなたへの贈り物に対する深い感謝というあなたの夢を、どんな苦痛にも邪魔させてはなりません。

 

奇跡講座(奇跡のコース)テキスト編第27章「夢を癒す」目次

27-1    十字架刑の絵

27-2    癒しに対する恐れ

27-3    全ての象徴を越えて

27-4    静かな答え

27-5    癒しの手本

27-6    罪の証人たち

27-7    夢を見ている者

27-8      夢の「主人公」

 

奇跡講座(奇跡のコース) テキスト編、ワークブック編、マニュアル編 各目次

テキスト編 1章~31章 目次

ワークブック編 レッスン1~365 目次

教師のためのマニュアル編 1~29 目次

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