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奇跡講座(奇跡のコース)テキスト編13章 「罪無き世界」より
13章13-7 実相世界の達成(その1)
ACIM-Text- chapter13-7-1
座って心静かにあなたの目に映る世界を見つめ、自分自身に言い聞かせなさい。
実相の世界とはこのような世界ではありません。
実相の世界には建物などないし、人がてんでんばらばら歩いていく道路もありません。
必要としないものをあれこれと買い漁る店など見当たりません。
人工的な光で照らされてはおらず、夜が訪れることもありません。
夜明けとともに明るくなり、日没とともに薄暗くなる昼間もありません。
そこでは何も失うことはありません。
全てのものが輝いているだけで、それも永遠に光輝くだけである、と。
ACIM-Text- chapter13-7-2
あなたは自分の見ている世界を否定しなければなりません。
そのような世界を見ることで、それとは異なる世界、心眼で見る世界を見失っているからです。
あなたには、両方の世界を見ることなどできません。
なぜなら、それぞれの世界は異なった見方を要し、あなたが何を大事にするかに左右されるからです。
一方を見ることができるのは、他のを否定しているからなのです。
両方ともが真実であるとはいえませんが、どちらにせよあなたが大切に思う程度に応じて、そちらの世界が自分にとっては真実のように思えてきます。
ただし、そうした二つの世界の持つ力は同じではありません。
それぞれにある本当の魅力は、同等なものではないからです。
ACIM-Text- chapter13-7-3
あなたは、時間というものが始まってからずっと、自分の見ている世界に失望させられ続けてきたので、それが本当に自分の望む世界だとは思っていません。
自分で建てた家が、必ずしも自分をかばってくれた訳ではありません。
切り開いて作った道路は、何処にも導いてくれなかったし、建設した都市も時の流れとともに風雨にさらされ、朽ち果てずにすんだところはどこにもありません。
自分が作ったもので、死の烙印を押されていないものは何一つありません。
そのようなものを大事に取っておこうとしてはなりません。
古くて使いものにならず、あなたがそれをちりで作ったように、今にもそのちりに戻りそうです。
このような胸の痛むような世界には、生気に満る世界に影響を与える力など全くありません。
あなたには、このような世界にそうした力を与えることなどできなかったので、そこでは悲しい思いをさせられるだけであり、そのような世界からもう一つ別の世界へと導いてくれる道を見つけることもできないのです。
ACIM-Text- chapter13-7-4
しかし、 実相の世界はここでさえあなたに影響力を持っています。
あなたはその世界を愛しているからです。
そして、何であれ、あなたが愛をこめて呼ぶと、それはあなたのもとへ来るでしょう。
愛は必ず答えてくれます。
助けを呼ぶ声を拒否できず、あなたが自ら作っておきながら自分で嫌がっています。
このような奇妙な世界の四方八方から聞こえてくる苦痛に満ちた叫びを、聞き入れないでいることなどできはしないからです。
あなたが、自分で作らなかったものと引き替えに、このような世界を喜んで放棄するのに必要なものといえば、それはただ、自分が作った世界は偽りだと分ろうとする意欲だけです。
ACIM-Text- chapter13-7-5
あなたは、まず自分自身を見誤ってしまっていたので、この世界を誤解し続けてきました。
判断の基準がそのようなに歪んでいて、あなたに何が分かるでしょうか。
見るということは全て知覚する人から始まるので、その人は何が真実で何が間違いなのか裁きを下そうとします。
そして、間違いだと判断したものを見ようとはしません。
実在を裁こうとする者には、それを見ることはできません。
裁こうとする度に、実在はいつのまにか見えなくなってしまうからです。
心にかけていないことは見えないというのも確かでしょう。
否定されたものは、そこにあるにも関わらず認められていないからです。
たとえ、あなたが キリストを知らないとしても、 キリストは今でも心の中にいます。
キリストの実在することは、あなたがそれを認めるかどうかで左右されるのではありません。
キリストは今、静かにあなたのうちに生きています。
そして、自ら愛をこめて差しのべている世界に、あなたが過去のことは忘れて入ってくれるのを待っているのです。
ACIM-Text- chapter13-7-6
このような乱れた世界の中にいて、自分のまわりにもう一つ別の世界を垣間見るような思いをしたことのない者はいないでしょう。
けれども、自分自身の世界をなおも重ずる間は、その別の世界について心眼でみえた心像など否定するでしょうし、愛してなどいないものを愛していると固執し、愛が示してくれる道を辿ろうとはしません。
愛なる存在は本当に喜んで導いてくれるとしてもです。
あなたはその存在に従うにつれ、自分には道連れがあり、その存在のおかげで喜び満つる帰国の途にあることがわかり嬉しくなってきます。
あなたは、ただ自分自身を待っているに過ぎません。
このような悲しい世界を引き渡し、自分の間違いを神の平安と交換することは単にあなたの意志です。
それに、 キリストはいつも神の意志をあなたに差し伸べてくれます。
その意志をあなたと キリストとは分かち合うものと認めるからです。
ACIM-Text- chapter13-7-7
神自身以外の何ものも、神の子に影響を及ぼすことなく、他のものは何も神の子に近寄ることはないというのが神の意志です。
神の子は、あらゆることにおいて神に見守られており、神自身と同様、苦痛を味わう危険はありません。
神の子の周りは愛で輝いています。
それは、神が神の子を自身のなかに置いたのであり、そこには苦しみなどなく、愛がなくなったり、それにひびが入ったりすることなく神の子を取り囲んでいるからです。
神の子の平安が乱されることは決して有り得ません。
神の子は全く正気で愛を見つめています。
それが自分を取り巻いており、内側にもあるからです。
愛のこもった腕に抱かれていると自分で知覚すれば、すぐさま苦痛にみちた世界など否定するに違いありません。
そして、この安全なところで自分のまわりを静かに見つめ、その世界は自分と一つだということに気づくでしょう。
ACIM-Text- chapter13-7-8
神の平安は人知を越える、とされているのは過去のことに過ぎません。
ここにその平安は確かにあり、あなたはそれを今まさに理解できます。
神は神の子を常しえに愛しており、神の子は永遠に父の愛を戻すことになります。
実相の世界とは、あなたにあることを思いださせてくれる道であり、そのあることは全く真実だし全面的にあなたのものです。
他のことは、全てあなたが時間のうちで役立てているものです。
だから、徐々に姿を消してしまうでしょう。
しかし、このあることは神から神の子への贈り物なので、常にあなたのものと言えます。
あなたにとって一つの実在があなたには与えられており、それによって神はあなたを自身と一つであるものとして創造したのです。
ACIM-Text- chapter13-7-9
あなたはまず平安を夢見るようになり、そのあと平安のうちに目覚めるでしょう。
自分で作ったものを、自分の願うものと交換する際、先ずは悪夢を幸せな愛の夢に取り替えることになります。
こうした幸せな夢の中であなたは真に知覚します。
聖霊は、全てが知覚の対象となる夢の世界を正してくれるからです。
叡知は訂正する必要などないのです。
今のところ、愛の夢というものが叡知へと導いてくれます。
こうした夢の中で、あなたは恐ろしいものを何一つ見ることはありません。
だから、そうした夢はあなたが叡知を歓迎するというしるしとも言えます。
愛は歓迎されるのを待っており、時間を待っているのではありません。
それに、 実相の世界とはただあなたが常にあったものを喜んで受け入れるということです。
したがって、そこには喜びへの招きがあり、あなたが喜んでそれに応ずるとすれば、自分が失ってはいなかったものに気づきつつあるのです。
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