
Contents
奇跡講座(奇跡のコース)テキスト編14章 「真理をめざす教え」より
14章14-4 贖罪におけるあなたの機能
ACIM-Text- chapter14-4-1
あなたが兄弟の罪無き姿を受け入れるなら、その人の中に贖罪を見つけるでしょう。
それを公言することで、贖罪は自分のものになり、求めていたものが見えるようになります。
兄弟の罪無き姿を象徴するものがその人の中に輝いていても、あなたがそこにはないと信じる限り、見えません。
兄弟の罪無き姿こそ、まさにあなたの贖罪そのものです。
兄弟のその姿を是認すれば、あなたが認めたことは真実だと分ってきます。
ただ、真実は神が最初に神の子に与えたように、先ず受け取られるために差し出されています。
時間の中では最初ということには何の意味もありませんが、永遠の世における第一位は父なる神であり、その神こそ最初であり唯一たる存在です。
最初である存在以上のものは何もありません。
つまり二番とか三番とかそんな順位などなくて、あるのはただただ第一位のみです。
ACIM-Text- chapter14-4-2
第一位の原因たる存在に属する者は、その存在に、自身に似せて重要な部分をなすものとして創造されたのであり、単に罪無き存在以上のものです。
罪悪感を抱いていない心境とは、単に混乱しているために実際にはないものをあると思っていた心が、そこには何も無いということを、受け入れたときの境地をいうに過ぎません。
この境地、ただこの境地に、神は自分のすぐそばにいるものと信じて、達しなければなりません。
そこに達するまで、自分は神から分離していると思い続けるからです。
もしかしたら、神はすぐとなりに在るように感じるかもしれません。
しかし、その神と一つであるということは分からないかもしれません。
これを教えてもらうことはできません。
知らず知らず学んでいるような状況においてのみ、学んでいることが身についてくるものです。
ACIM-Text- chapter14-4-3
自分の最も神聖な心の中にある真実を、分かり難くしてしまったものを全部取り消してもらい、父の前で祝福されれば、いつものように父は自身を授けてくれるでしょう。
自分を与えるということだけを知っており、これは全ての叡知についても同じことが言えます。
神の知らないものは存在しません。
したがって、それが与えられることもできません。
すでに赦されているので 赦しを乞う必要はありません。
むしろ、どのようにして赦すのか、そして、常にあったものをどのようにすれば、赦すのを嫌がっている自分の心に戻せるようになれるか知りたいと求めなさい。
贖罪は、それを活用する者には真実となり、認識できるようになります。
地上においてはこれがあなたの唯一の機能であり、そして自分が学びたいのはこれだけだと分かるようにならなければいけません。
そうなるまで、罪悪感を知覚するでしょう。
結局のところ、どのような形にせよ罪悪感は、自分の機能を、心をこめて神の御心の中で果すことができないから生じることになります。
ここでその機能を果たし損ねて、こんな罪悪感から逃れられるでしょうか。
ACIM-Text- chapter14-4-4
創造されたものを理解し、成すべきことを為して、はじめて叡知が自分にとって意義深いものとなってくるという訳ではありません。
神は障壁のようなものなど建てたりしませんでした。
そして、取り壊そうともしません。
そのようなものは自分の心から放ちさえすれば、無くなります。
何につけ、神が失敗するようなことはなく、かってあったためしもありません。
自分自身については、神が正しく、自分は間違っているということで納得しなさい。
神はあなたを自身の中から創り出されたとはいえ、ただ神の内なる存在として創造したのです。
したがって、あなたが何であるか分かっています。
神にとって二の次にあたるものはないことを思い出しなさい。
したがって、神の神聖さを欠く者や、神の全き愛に相応しくない者など一人もいるはずがありません。
闇に紛れ欺きのうちに作られた愛のないところに居ても、愛するというあなたの機能を怠たらないようにしなさい。
そうすることで暗闇や欺きを取り消せるからです。
その機能を怠らず、神と自分に対して潔白な神の子を捧げなさい。
神の愛に感謝の意を表してこんなささやかな贈り物を捧げれば、神はそれを自分からの贈り物と交換してくれることでしょう。
ACIM-Text- chapter14-4-5
どんなことであれ、自分で決める前にまず、あなたが天国で自分の機能に反対すると決めたことがあるのを思い出しなさい。
そのうえで、ここでも自分で決断を下したいのかどうか慎重に考えなさい。
あなたのここでの機能は、自分が何を望むのか分かっていないということを認め、ただ自分の欲しいものが何なのか決めようとするのに反対することだけです。
では、どうすれば自分で何を成すべきか決めることができるでしょうか。
神に代わって話し、あなたの機能を知っている通りに示す存在に決断を全て任せればいいのです。
そうすれば、あなたが神の子を愛さずにいたり、愛のかわりに罪悪感を教えようとしたりして、自分で自分に課してしまったひどい重荷を下ろすように、と教えてくれるでしょう。
この血迷った、正気とは言えない企みは捨てなさい。
なぜなら、そのために自分の父なる神と共に生きる喜びを見いだせず、あなたの内で本当に神の愛と神聖さが一緒になっているところに喜んで目覚め、神と一つになれる喜びも失う羽目になるからです。
ACIM-Text- chapter14-4-6
どのようにして神と共に決断するのか習いさえすれば、どんな決断をするにせよいつも呼吸をするように簡単で自然に正しいものになります。
辛い思いをしなくて済み、まるで夏のもの静かな小道にそって、誰かに運ばれているかのごとくやさしく導いてもらえることでしょう。
ただ、あなた自身の意志が決断を難しくしているように思えます。
聖霊は、あなたがどうすればいいのかと質問する度に、すぐさま答えてくれます。
聖霊には分かっています。
だから教え、その上、代わりに為します。
そうされることで、疲れている者は眠っているよりもっと安らぎを覚えるでしょう。
なぜなら、罪悪感を眠りには持ち込むことはできても、こうして 聖霊が関わっていることには持ち込めないからです。
ACIM-Text- chapter14-4-7
あなたに知ってもらうのが神の意志だとはいえ、罪悪感を抱いている限り神を知ることはできません。
したがって、どうしても罪悪感をなくす必要があります。
しかし、神を知るのに必要な条件を受け入れないのなら、神を否定したことになり、神に抱かれているのに気づかないでしょう。
神を知るための条件とは、神の子が罪悪感を抱いていないということであり、神の子がいなければ神を知るものもいなくなります。
神の子に罪悪感があると認めるとは本当に完全な父を否定することになり、神自ら叡知をそこに置いたという心そのものから叡知は捨て去られ、気づかれないままになります。
ただ、よくよく聞いて、こうしたことがいかに不可能なことか、分かりなさい。
自分に理解できるような属性を神に押し付けてはなりません。
あなたが神を作ったのではなく、何であれあなたに理解できるようなことは、神からのものではないのです。
ACIM-Text- chapter14-4-8
あなたのなすべきことは実在を作ることではありません。
実在はあなたが作らずしてここにあるばかりか、それにあなたも含まれています。
真の自己を捨て去り、神のことを少しも大切に思ったりせずにきた者よ、私が神とあなた自身のために話すので聞きなさい。
父がどれほどあなたを愛しているか、あなたに理解できないというのも無理はありません。
この世界での経験と比べてみて理解できるようにしようにも、神の愛に匹敵する経験などしたことがないからです。
それと比べてみられるものなど世界中に何一つありません。
そして、今だかって、神から離れた状態で感じられることから、ほんの微かにさえ神の愛を思わせるものを感じられたことは一度もありません。
あなたには申し分のない優しさで祝福を与えることさえできません。
そんなあなたに、永遠に与え、与えることしか知らないという存在のことが分かるでしょうか。
ACIM-Text- chapter14-4-9
天国にいる子供たちは父からの祝福の光の中で生きています。
それは、自分に罪がないということを知っているからです。
贖罪は、罪悪感のない状態にあることを否定して、自ら天国に値しないと拒んでいる心を、罪悪感のない状態に戻すための手段として定められました。
贖罪は神の子のいる真の状況をあなたに教えます。
あなたが何なのかとか、父は何であるかとか、それは教られません。
聖霊はこうしたことをあなたのために覚えておいて、ただあなたが自分の知っているはずのことを知ろうとするときに立ち塞がる障害物は、どのようにして取り除けるかを教えるに過ぎません。
聖霊の記憶はあなたの記憶でもあります。
もし自分で作ったものを思いつくとすれば、実在しないものを思い出しているだけです。
聖霊には実在についての記憶があります。
したがって、あなたにもその記憶があります。
ACIM-Text- chapter14-4-10
罪悪感を抱いていない者と抱いている者とが、お互いを理解し合うことなど全く不可能となります。
各自が相手のことを自分と同じだと知覚し、意思の疎通をすることなどできなくしてしまいます。
それは、各々が相手を本人の思っているのとは違うように、見ているからです。
神はあなたの心の内なる 聖霊とのみ意思の疎通をすることができるというのは、 聖霊だけがあなたについて神と同じ叡知を持っているからです。
そしてその 聖霊だけが神が何であるか知っているので、あなたに代わって神に答えることができます。
それ以外にあなたが自分の心の中においたものは何一つ存在できません。
神の御心と意思の疎通を保っていないものが存在したためしはないからです。
神と意志の疎通をすることこそ命そのものです。
それを欠くものは何一つ実在しないのです。
奇跡講座(奇跡のコース) テキスト編第14章「真理をめざす教え」目次