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奇跡講座(奇跡のコース)テキスト編 第29章「目覚め」29-7本文
第29章29-7 自分の外を探そうとすることはやめなさい
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自分の外を探すのはやめなさい。
それは失敗し、偶像が崩れるたびにあなたは涙を流すことになるからです。
天国が存在しないところに天国は見つからず、そこ以外に平安はあり得ません。
神が呼んでいる時にあなたが崇拝する偶像はどれも決して神の代わりに答えてはくれません。
あなたが他の答えを代用にして、神の答えがもたらす幸せを見出すことは出来ません。
自分の外を探すのはやめなさい。
あなたの苦痛は全て、単に自分の望みのものがどこで見つかるはずかについての自分の思い込みを曲げず、それを求めて不毛な探索をしていることに由来しているからです。
もしそれがそこにはないとしたらどうでしょう。
あなたは自分が正しいことと、幸福であることのどちらを望むでしょう。
どこに幸せが宿っているか教えられていることを喜び、それ以外の場所をこれ以上探すのはやめさない。
さもなければ、あなたは失敗することになります。
しかし、あなたは真理を知り、自分の外に真理を探さずにいる力が与えられています。
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この世界に来る者で、自分の外側に幸せと平安をもたらしてくれる何かがあるはずだという希望や、いつまでも消えない幻想や、何らかの夢を依然として抱いていない者はいません。
もし全てのものがその人の内に存在するならば、あり得ないことです。
したがって、その人はここに来ることによって、自分自身についての真理を否定し、まるで全てであるものの一部が切り離されて、他の部分が存在していないところに見出され得るかのように、全てであるもの以上の何かを探し求めているのです。
これが、その人が 身体に与えている目的です。
すなわち、自分に欠けているものを探し出し、その人自身を完全にしてくれるものをもたらすべきだという目的です。
こうしてその人は、自分が本来の自分とは違う何者かだと信じつつ、見つけられるはずがない何かを探し求めてあてもなく彷徨います。
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消えようとしない幻想はその人を駆り立て、次から次へと幾何千もの偶像を追求させます。
そして、そのどれもがその人の期待を裏切るでしょう。
ただし、一つだけ例外があります。
というのも、その人は死ぬことになるからです。
そして、その人は自分が探し求めている偶像とはまさしく自分の死に他ならないとは理解していません。
一見したところその形はその人自身の外側にあるように見えます。
しかし、その人は内なる神の子を殺し、自分が神の子に対する勝利者であることを証明しようとしています。
これこそ一つひとつの偶像が持つ目的です。
なぜなら、これが偶像に課せられた役割であって、これは達成不可能な役割だからです。
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身体の改善が主な利益とされているようなゴールを達成しようと企てている時はいつでも、あなたは自分の死をもたらそうとしています。
なぜなら、あなたは自分から何かが欠如することがあり得ると信じていて、欠如とはすなわち死だからです。
犠牲にすることとは、放棄することであり、したがって、それなしでいることであり、損失を被ったということです。
そして、この放棄によって生命が拒絶されます。
自分の外を探すのはやめなさい。
そうした探索が示唆しているのは、あなたは自分の内側において全一ではなく、自らの悲惨な状態を見る事を恐れていて、自分の本性を自分自身の外側に探すほうがよいよ思っている、ということです。
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偶像は生命を持たないからこそ、崩壊せざるを得ません。
そして、生命なきものとは、死のしるしです。
あなたは死ぬためにやってきました。
それならば、自分の求める死のしるしを知覚すること以外に、何を期待しようというのでしょう。
いずれの悲しみや苦しみも、偶像が見つかったというメッセージ以外のものを宣言してはいません。
その偶像は、生命のパロディを表すものであり、その生命なき状態は、本当は死であるのに実在するものと考えられ、生きた形を与えられています。
しかし、どの偶像も必ず期待を裏切り、もろくも崩れて朽ちていきます。
それというのも、死の一つの形であるものは生命ではあるはずがなく、犠牲にされたものが全一ということもあり得ないからです。
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この世界の偶像の全ては、内なる真理をあなたに知らせずにおくために作り出されました。
また、それは、幸福であるためには自分の外にあるものを見つけなければならないという夢への忠誠を維持するためでもありました。
平安を期待して偶像を崇拝しても無駄です。
神はあなたの内側に宿り、その神の内にこそあなたの完成があります。
いかなる偶像も、神に取って代わる事の出来るものは一つもありません。
偶像を頼ってはなりません。
あなた自身の外を探してはなりません。
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過去がこの世界に与えた目的のことは忘れましょう。
さもないと、未来も過去と同じように一連の憂うつな夢となり、全ての偶像が次々とあなたの期待を裏切ってあなたは到るところに死と落胆を目にすることになるでしょう。
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この全てを変化させ、果てしない絶望の環のように見えたものの中に希望と解放の道を開くために必要なことは、自分はこの世界の目的を知らないとはっきり認めることだけです。
あなたはこの世界がもっていないゴールの数々をこの世界に与え、そうしてそれが何のためのものかを決定しています。
そしてあなたはその中に、自分の外側に見出される偶像の居場所を見ようとしています。
それらは、あなたの本性を二分することによってあなたの内にあるものを完成させる力を持つようになった偶像です。
あなたが、あなたの夢を選んでいるのです。
なぜなら、それらはあなた自身が望んでいるものであり、あたかもそれがあなたに与えられたものであるかのように知覚されているものだからです。
あなたの偶像たちは、あなたがそれらにさせようとすることを行い、あなたがそれらに付与する力を持っています。
そして、あなたはそれらの偶像の力を自分のものにしたいからこそ、虚しくも夢の中でそれらの後を追いかけます。
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しかし、夢は眠っている心の中以外のどこにあるでしょう。
そして、夢は、自らが外に投影する映像を実在化させることが出来るでしょうか。
私の兄弟よ、時間を無駄にしてはなりません。
時間が何のためにあるのかを学びなさい。
そして、そこに偶像が見られることによって悲しくも病んだものにされている世界において、偶像の終焉を早めなさい。
あなたの神聖な心は、神への祭壇であり、神がいるところに偶像が一つたりとも留まることは出来ません。
神に対する恐れは、偶像を失うことを恐れているに過ぎません。
それは、あなたの実相を失うことへの恐れではありません。
しかし、あなたは自分の実相を偶像にしてしまったので、真理の光に対抗してそれを保護しなければなりません。
そして、全世界が、この偶像を保持するための手段になります。
こうして、 救済は生命を脅かし、死を差し出すかのように見えます。
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ところが、それは事実ではありません。
救済は、死が存在しない事、そして生命だけが存在する事、を証明しようとしています。
死を犠牲にすることで失われるものは、何一つありません。
偶像は、神の座を奪うことは出来ません。
あなたに対する神の愛を、神に思い出させてもらいなさい。
そして、あなた自身の偶像に向かって唱える深い絶望の祝詞の中で、神の声をかき消そうとするのはやめなさい。
父の外にあなたの希望を探すのはやめなさい。
なぜなら、幸せの希望は絶望ではないからです。
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